夕方のにおい 200010
ジュニアポエム 10 〜こどもからおとなまで〜
発行:'78.3
著者:阪田 寛夫
画家:織茂 恭子
判型:A5 ページ数:160
出版元:銀の鈴社
発売元:銀の鈴社
ISBN978-4-87786-010-3
赤い靴賞 日本図書館協会選定 全国学校図書館協議会選定 厚生省中央児童時福祉審議会推薦図書
★もくじ★
川と少年
・どんぶらこっこ ・お化け煙突 ・空の川 ・水の匂い ・*「絶対に」は否定の副詞 ・ぼくは川
三年生
・おなじ夕方 ・そばかす ・ちこく王 ・かげ ・*ねこをかうきそく ・山と子とハモニカ ・口・口・口 ・世界地図 ・*学げい会のげき ・童話 ・ねこいっちゃった ・三年よ
遠足
・遠足はバスに乗って ・光る ・おべんとう ・城あと ・山の上の合唱
アビと漁師
・辞書をひけば ・どうしてアビは ・大漁歌 ・*夜の歌 ・酸い甘い五月の風
ひまご と ひいじいちゃん
・おはよう ・ハトになる ・まおちゃんことば ・汽車ごっこ ・ひいじいちゃんのよろこび ・ねむりのくに ・ひいじいちゃんの子守歌
煉瓦色の街
・1 ・2 ・3
野山のうた
・さくらさくら ・野山をわたる風 ・天の穴 ・葉がおちて ・この樹の下で
あそびうた
・ともだち讃歌 ・せっせっせアッサイ ・しびれ富士 ・ねこふんじゃった ・はの字 ・*お経 ・ななくさ ・年めぐり ・天狗昇飛切之術 ・ブランコ ・*今日のよろこび
あとがき
*は東芝レコード「ポエムの森」朗読詩
毎年のことです。
大晦日、除夜の鐘を聴きながら思い出す詩があります。
阪田寛夫詩集『夕方のにおい』(ジュニアポエムNO.10)所収の作品、「童話」です。
「童話」
おおみそかの森のおく
スギの木は 杉のエンピツ
モミの木は 揉のエンピツ
カシの木は 樫のエンピツで
おなかにしっかりマルをかく
この一年をここでとじる
あたらしい年が ここから始まる
この詩を思い出しながら、この一年、私は私のおなかに、どんな丸を描けたかしら、と、除夜の鐘を聴きながら、おなかに手をあてるのです。
阪田先生は、「ねこふんじゃった」や「サッちゃん」の作詞家として知られている芥川賞作家です。
この『夕方のにおい』にも、「ねこをかうきそく」という詩があります。
阪田先生らしい、ちょっとトボけた可笑しさで、命あるものを育てることの重さを伝えてくれるポエムです。
詩人の声の朗読では、阪田先生の声で、この作品を味わえます。 西野真由美
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