四千年のパワースポット 霊峰大山 ー武士政権が祈願した関東高野山ー 200493
日本遺産に登録された「大山詣り」。
大山の石尊信仰と大山寺の不動信仰が江戸時代に流行し、富士山と大山登山が時代最高の信仰と遊学旅行となりました。
関東一円の歴史と地域文化にスポットをあてた、地元で育った著者の熱い歴史地理エッセイです。
◆もくじ◆
はじめに
・第一章古代からパワースポットであった霊峰大山
霊峰大山は関東一円から見られます
大山から流れる河川が造る扇状地
三角錐の山は海の羅針盤でした
大山の麓は日高見国といわれた
日高見国は古代の主食(栗)の栽培地
四千年前の祈りの聖地は山頂遺跡から発見された
霊山は火山や自然災害の監視所でした
縄文・弥生時代から古墳時代への社会システムの変化
倭建命(日本武尊)の東征伝承と大山の関係
弟橘媛と倭建命の愛情のうた
大山の御嶽信仰は倭建命が起源です
相模国御嶽信仰と修験の道場しての大山
仏教の伝来と伝播ルートはいくつかあった
百済国の最先端技術は日本に革命をもたらした
高麗王若光の渡来と高麗郡の新設
若光王(白髭明神)高麗郡への道
関東武士の戦闘は馬、関西の武士は船を使ったのはなぜか
防人と万葉集「相模峯」のうた
大山の麓に万葉古道の駅路と大住軍団があった
・第二章大山寺開山と神仏習合時代の幕開け
聖武天皇による国分寺、国分尼寺の建立
国分寺より早い日向(日向山霊山寺)薬師と石雲寺の開創
聖武天皇発願の東大寺建立は行基から良弁に引継がれた
大仏建立により平城京は汚染された
東大寺初代別当で大山寺を開創した良弁僧正はどんな人
大山の麓の子易明神に良弁の安産を祈った
良弁が山中にパワーを感じ、大山寺を開山した場所はどこ!
大山の名は雨降山大山寺から
大山門前町は良弁の従者が開いた
源氏と大山寺の関係は良弁の父染谷氏が鎌倉を開いたから
大宝律令による相模国府の変遷
冠大明神三ノ宮神社と大山
大山と富士山に関係する国府祭とはどんな祭
・第三章平安時代の荘園経営と大山寺
奈良仏教(南都仏教界)から新平安仏教界の影響を受けて
良弁後の大山寺の法灯は行基の高弟第二世光増和尚が承継した
第三世弘法大師空海と大山寺
徳一菩薩とはどういう人
第四世の弁真和尚時の大山寺の危機
第五世安然和尚が大山寺を再建した
大山三方向の門前町は天平時代にはじまる
東側の日向薬師信仰による門前町の形成
西側の蓑毛地蔵堂による門前町の形成
大山不動明王さんによる門前町の形成
鳥羽院の糟屋荘の変遷と大山
八条院から三条宮と以仁王に続く糟屋荘
以仁王の平家追討の令旨
・第四章鎌倉幕府が成立し大山寺が祈願寺となる
頼朝と義経の育ちの違いが軋轢を生んだ
頼朝には義経、行家は脅威だった
源頼朝は守護・地頭制度の確立により荘園制度を変えた
源頼朝は幕府を開き大山寺を祈願寺とする
鎌倉幕府への兵と食糧の貢献
吾妻鏡に見る鎌倉幕府と大山寺の関係
曾我兄弟の仇討ちはどうしてか
十郎は大山寺に仇討ち祈願の願文を捧げる
十郎と虎御前の恋物語は江戸の人気に
北条政子は大山、日向薬師にお参りする
波多野荘司波多野氏と源氏の関係
三代将軍源実朝の暗殺と大山の衰退
願行上人が大山不動を鋳造し、苦労のすえ大山寺に安置する
・第五章足利幕府の祈願寺となり、戦国の世を軍事行動で生き残る
足利尊氏が京都に幕府を開く
鎌倉公方の設置と大山衆徒の軍事行動
関東に混乱が起こる
上杉家家宰の太田道灌とはどんな人
太田道灌は江戸城を造り、足軽(傭兵部隊)の軍法を編み出した
歌人太田道灌・心敬は大山歌壇・俳壇に影響を残した
道灌の関東平定の道は大山街道と重なる
道灌と北条早雲(伊勢新九郎)、上杉謙信(長尾景虎)の関係
「当方滅亡」は糟屋館で起こった
戦国のパンドラの箱を開けた道灌伝説は大山の麓にある
落語「道灌」とは!
徳川家康は太田道灌の子孫「英勝院・お勝(梶)の方」を重用した
道灌のお墓は上粕屋にあり、詠んだ歌も多く残る
聖護院准后道興が大山に参る
道灌が開いた戦国の世を引き継いだ北条早雲(伊勢新九郎)とは!
北条早雲が太田道灌を祀った五霊神社
北条家の関東支配と大山衆徒
・第六章徳川家康は頼朝にならい大山寺を祈願寺とする
徳川家康は「慶長の改革」のより大山を粛正した
関東高野山として隆盛をむかえる
家康の江戸はこだわりから生まれた
大山寺を再建した伊奈忠次の江戸改造は大山街道整備につながった
春日局は大山に「家光の将軍継嗣の祈願」をした
春日局の祈願成就の御礼詣りが大山を隆盛に導いた
家光は大山寺を祈願寺にする
家光の側室の玉の輿の語源のお玉の方と権力闘争
綱吉政権は大山寺を祈願寺にする
「生類憐みの令」は世界最初の革新的動物愛護の政策
吉宗は大山寺を祈願寺にする
第二の大山文化が花開く100年間
大山参詣はどのように行われたのか
伊勢参りと大山参り
縁起かつぎの両参りか三山参り
大山講とはどんなもの
大山に関する江戸時代の出版物
江戸時代から現在に通じる大山街道
江戸期の大山門前町の発展
大山能は現在も続く
心敬・道灌から芭蕉・宝井其角と続く大山俳壇
ゴッホも描いた江戸の浮世絵は旅行パンフレット
落語「大山詣り」と江戸庶民の生活
歌舞伎の大山参り「山帰り」
大山街道童歌
幕末期の大山の衰退
・第七章明治維新が大山を変え、現在に続くパワースポットの承継
明治維新の神仏分離令で寺から神社に、御師から先導師に変わる
権田直助の功績
明治以後の大山
大山の先導師(御師)の数の減少と旅館業の変遷
学童疎開から「東京の奥座敷」
大山街道の鳥居
大山の開山式
秋季大祭(8月27日〜8月30日)
大和舞、巫女舞の神事の伝承
大山寺女坂の七不思議
大山寺に家光の扁額が奉納された
雨乞いの滝・禊の滝
大山山頂への道
大山登山のパワースポット
大山本坂二十八町の茶屋
大山の凧揚げの風習
大山木地師とこま遊び
納太刀の風習は続く
薪能はいつから
茶湯寺は不思議な寺
大山豆腐は精進料理から
現在でも大山は祈りの地
阿夫利睦会と「絵とうろう」の祭典
大山の関係歴史年表
参考文献
終わりに
石井 政夫(いしい まさお)
1945年(昭和20年)中郡大山町(伊勢原市)で生まれる。
県立平塚高校(平塚工科高校)電気科卒業。東海大学工学部電子工学科卒業。嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科博士前期課程修了。
元日本インター株式会社代表取締役。
株式会社IMC代表取締役社長。飯田通商株式会社顧問。
一般社団法人日本経営士会経営支援アドバイザー。
東海大学体育バレーボール部OB-OG会会長。
「再生可能エネルギーは地域振興の柱」、「景気のサイクルと将来ビジネス」など多数うの講演活動がある。
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