銀の鈴社 オンラインストア

【伝記】北御門二郎 魂の自由を求めて 〜トルストイに魅せられた良心的兵役拒否者〜 200546

1,320円(本体1,200円、税120円)

定価 1,320円(本体1,200円、税120円)

購入数
翻訳家・北御門二郎(きたみかどじろう)は、トルストイの信念に魅せられ、
「人を殺すくらいなら、殺される方を選ぶ」と、
太平洋戦争の折り、死刑覚悟で戦争へ行くことを拒否した人物です。
また、『イワンの馬鹿』などトルストイの作品の翻訳家としても有名です。

トルストイの「絶対非暴力、絶対平和」の思想は、
インドのガンジーやキング牧師にも大きな影響を与えました。
たった一つの命、一度きりの人生を悔いなく貫くための指針がぎっしり詰まった1冊です。

北御門二郎氏の朗読『イワンの馬鹿』は下記をクリックしてください。
*この音源は自然の中で収録されたため、蝉や鳥、川や風など自然界の音が含まれております。ご了承ください。
No,1(46:17)

No,2(37:15)
トルストイに魅せられた良心的兵役拒否者
ジュニアノンフィクション 
発行:2014.3.26
著者:ぶな 葉一 
判型:A5  ページ数:160
ISBN:978-4-87786-546-7 C8095


トルストイの憧れた国は、自由・平等・平和、この3つのある国でした。
翻訳家・北御門二郎はトルストイの信念に魅せられ、彼の作品を翻訳したことでも知られています。

北御門二郎:1913年(大正2年)熊本県球磨郡湯前町に生まれる。
旧制五校時代に、トルストイの『人は何で生きるか』を読んで感激。東大英文科を退学、徴兵を拒否して、以来「トルストイも言うように、農耕が一番罪がない」と人里離れた熊本県水上村湯山にこもり、農業を営みながら、トルストイの翻訳に没入する。
「翻訳に大切なことは、原書に感動し、読者とその喜びを分かち合いたいと思うこと、だからトルストイが涙して書いた所は、私も泣いて訳します。」

◆もくじ◆
第一部 北御門二郎 魂の自由を求めて

第一章 心の目覚め
第二章 農業者として
第三章 女子高校での修養会で
第四章 エンマ夫人との出会い
第五章 徴兵拒否
第六章 戦争中の生活と友情
第七章 真の翻訳とは
第八章 憲法九条と『イワンの馬鹿』
      第一話 憲法九条
      第二話 イワンの馬鹿
      北御門二郎訳 トルストイ民話に寄せる版画作品
第九章 文読む月日
第十章 五高の同窓会のこと
第十一章 北御門モヨさんのこと

第二部 レフ・トルストイ 心の旅路

第一章 真の幸福は
第二章 生きる意味を求めるということ
第三章 絶対平和、絶対非暴力
第四章 トルストイの家出

あとがき
北御門二郎 略年譜
参考文献

本名 石田昭義
安曇野に生まれる。
北御門二郎氏と出会い、地の塩書房を設立。
トルストイの作品『イワンの馬鹿』『文読む月日』などを広めることを始めて今日にいたる。
著書に『山のみち』『まぶしい涙』『泣いたゼロ戦』(ともに銀の鈴社刊)

著:ぶな 葉一 
判型:A5  ページ数:160
ISBN:978-4-87786-546-7 C8095
日本図書館協会・全国学校図書館協議会・日本子どもの本研究会選定図書



トルストイの「絶対非暴力」「絶対平和」の思想にうたれ、死刑覚悟で良心的徴兵拒否をし、農業に勤しみながらトルストイ作品の翻訳に精魂を傾けた北御門二郎さんの伝記です。(小学校高学年以上対象)

トルストイは、翻訳について次のように述べています。

「ホメロスの物語を翻訳と原書で読み比べてみると、翻訳のホメロスは蒸留水のよう。
原語のそれは泉の水のよう、この泉の水は、それに浮かぶ木の葉の匂いや草根の香りがする」

北御門さんは、泉の水のような翻訳を目指して、『イワンの馬鹿』のイワンのように農業に勤しみ、まさに晴耕雨読で尊敬するトルストイ作品に対峙してきたのです。

著者のぶな葉一さんは、北御門二郎訳のトルストイ『文読む月日』(上下巻、地の塩書房刊)を刊行するために地の塩書房を起こし、ちくま文庫(筑摩書房)での同書刊行に尽力した方です。

トルストイの『文読む月日』は、トルストイの言葉も含めて、彼が選んだ古今東西の名言を、一年365日分収載した名著です。

かつて、東京ビックサイトで開催されたブックフェアの特別講演で、姜尚中さんが話された時でした。
最後の質疑応答で、
「これだけは持っていていいと言われたら、何の本を選びますか?」という質問に、
姜尚中さんは、トルストイの『文読む月日』と、即座にお答えになっていました。

本書は、北御門さんへの崇敬の念と、深い信頼関係が根底に流れるあたたかな伝記です。

ことに、北御門さんと祖母の塩見スマさんとのくだりは秀逸です。
志をもって生き抜いた人。
その志を育んだ周りの人の、背筋の伸びた生き方に打たれます。

後半では、レフ・トルストイについても学べます。

トルストイの「絶対平和」「絶対非暴力」の思想は、インドのガンジーや、アメリカのキング牧師にも大きな影響を与えました。

「ヨーロッパが人類に寄与した全ての偉大なものをあげるとき、ロシア人が恥じて、頭を下げずにすむには、彼一人さえいれば充分であることをますます確信するようになった。そしてそこには、愛国主義などなんの役割も果たしていない」

これは、トルストイの著書『イワン・イリイッチの死』を読んだロシアの作曲家、チャイコフスキーの言葉です。

『北御門二郎 魂の自由を求めて』で、真の自由と真の平和について、考えるきっかけとなればと願います。

ぶな葉一さんには、他に下記の創作作品(ともに銀の鈴社刊)があります。

『泣いたゼロ戦』小学校低学年くらいから
『山のみち』小学校中学年くらいから
『まぶしい涙』小学校中学年くらいから

西野真由美

おすすめ商品