苔に光る 鎌倉の石仏
定価 2,160円(本体2,000円、税160円)
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銀鈴叢書 
発行:2018/08/15
著者:大箭 晃義 写真集 
判型:四六判  ページ数:128
出版元:銀の鈴社
978-4-86618-054-0 C0072¥2000E


◆もくじ◆
・まえがき

北鎌倉
・円覚寺 ・円覚寺(居士林) ・円覚寺(龍隠庵) ・浄智寺 ・明月院 ・明月ガ谷〈謡曲「鉢の木」〉 ・建長寺 ・建長寺(第六天神社)〈梶原施餓鬼会〉 ・光照寺

大船周辺
・龍宝寺 ・二伝寺 ・貞宗寺 ・久成寺 ・成福寺 ・常楽寺 ・多聞院 ・称名寺(今泉不動)

扇ガ谷
・浄光明寺〈矢を拾った地蔵〉 ・英勝寺 ・海蔵寺〈薬師如来の縁起〉 ・巌窟不動〈松源寺の怪談〉

二階堂・十二所・金沢街道
・覚園寺道 ・瑞泉寺 ・宝戒寺 ・杉本寺報国寺〈報国寺の化け猫〉 ・宅間ガ谷 ・浄妙寺 ・胡桃ガ谷 ・朝比奈切通し

大町
・本覚寺 ・妙本寺〈若狭局の祟り・万葉集研究遺蹟〉 ・常栄寺 ・安養院 ・大宝寺 ・安国論寺〈日蓮を助けた猿〉

材木座
・実相寺 ・九品寺 ・光明寺 ・光明寺山内(秋葉三尺坊) ・光明寺山内(千手院) ・五所神社

長谷
・長谷寺(長谷観音) ・光則寺 ・高徳院(鎌倉大仏) ・極楽寺旧切通し

深沢・西鎌倉
・青蓮寺 ・鎌倉山 ・仏行寺 ・等覚寺 ・東光寺 ・深沢小学校裏山

片瀬・腰越
・常立寺 ・宝善寺 ・浄泉寺

藤沢遊行寺周辺
・遊行寺 ・真徳寺 ・長生院〈小栗半官と照手姫〉 ・常光寺

逗子
・海前寺 ・小坪路 ・神武寺

金沢八景
・称名寺〈青葉の楓〉

番外編
・建長寺半増坊参道の狛犬 ・佐助稲荷の狐 ・円覚寺山内(山ノ内庚申塔) ・深沢小学校裏山の庚申塔 ・鷹取山摩崖仏 ・大船観音 ・石仏曼荼羅

・あとがき

・地図



この一冊を片手に鎌倉の石仏(約300体)巡りの散策。三方を山に囲まれ、前は海。天然の要塞の地、鎌倉には、山の斜面を垂直に切った「切岸」にうがたれた「やぐら」や、切通し、寺院などに風雪に耐え、苔むした石仏があります。鎌倉市内だけでも4千体以上は存在するといわれています。簡単な地図つき。


まえがき
 三方を山に囲まれ、前は海という、天然の要塞の地である鎌倉は、武家が軍事政権の拠点とするにはうってつけの土地でした。その反面、平地が少ないため、山の斜面を垂直に切って平地を確保する必要がありました。この垂直に切った面を「切岸(きり ぎし)」と言います。
 しかし、鎌倉時代中期にさしかかり、この武家の都が繁栄の一途をたどりはじめると、権力者の屋敷や寺院などが次々と建ちはじめ建設ラッシュとなります。結果、更に平地を確保する必要性が増し、鎌倉中には墓地を造ってはならないというお達しが出ました。そこで、切岸に四角い穴をうがち、扉を付けてそこに死者を葬りました。これが「やぐら」です。
 もちろん、やぐらに葬られる者は高級武士や貴族、または僧侶などの地位にある者であり、大半の庶民は由比ガ浜に埋められるか、地獄谷と呼ばれる谷合い(現在の建長寺境内)に捨てられるかであったのでしょう。それでも、現在やぐらの数は、鎌倉市内だけでも4千から5千も存在すると言われています。
 切岸とやぐらのある鎌倉独特の風景。そのやぐらの内部に安置された石仏などは、まさに鎌倉ならではと言えます。また、四季折々の花に彩られる石仏や深く苔むす石仏など、みな長い間風雪に耐え、ただひたすらその場所に鎮座し続けているのです。
 こうした石仏を眺めていると、天地の悠久というものを感ずることができます。また、それぞれに違った表情があり、みないいお顔をしておいでです。
 天気に恵まれた日、皆さんも鎌倉の石仏を愛でに出かけてみてはいかがでしょうか。きっと石の仏様たちがやさしく迎えてくれるでしょう。



あとがき
 私がまだ若い頃、初めて撮った石仏の写真は、足元にドクダミの花が咲く如来像でした。清楚なドクダミの花と、苔むした石仏の対比が、いかにもひなびた田舎風景という感じで、石仏の魅力というものを初めて感じた瞬間でした。
 それから25年、様々な石仏を撮ってきましたが、四季折々の花とともにたたずむ石仏や、光の角度によって、刻一刻と変化する石仏の表情などを撮影するうちに、最高のシャッターチャンスを待つようになりました。眼を半眼に閉じて、決して動くことのない石仏にも、最高のシャッターチャンスの瞬間があるということに気づいたのです。そして、それをとらえてこそ最高の写真に仕上がるのです。
 今回、初めて写真集を出版することになり、本書を皆様が手に取ってご覧いただくに至ったことも、一つの人生のシャッターチャンスをとらえることができたためかと、大変うれしく思います。
 本書では、皆様がこの一冊を頼りに石仏巡りがスムーズにできるよう、地域ごとに分けて紹介しました。また、様々な風景とともに楽しんでいただけるように、極力季節ごとの写真を掲載しました。
 皆様がリュックにこの一冊を入れて、苔に光る鎌倉の石仏を愛でながら散策していただけることを、心より望んでおります。


大箭 晃義(おおや てるよし)
1965年生まれ。籐嶺学園藤沢高等学校卒業後、産業能率短期大学卒業。
鎌倉を中心に撮影活動を続けて25年。
寺社や石仏のみならず、自然や町並みなど、鎌倉のあらゆるものを撮ることをモットーとしている。